『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
ひとまずヤスケの先導で建物の中に入った私達を待ち受けていたのは…カラフルなレザーイルミネーションが飛び交う中、振動まで身体に伝わるような大音響の音楽に踊り狂う人の群れに私達は度肝を抜かれた。
「ヤスケ―!」
呆気にとられてみていた私達の前に関係者用の人混みをかき分けてヤスケを呼ぶ白人男性に気づいた。
「ルイス!!」
ヤスケは嬉しそうに声をあげてその白人男性とともに腕をあわせた後抱擁を交わして再会を喜びあっていた。
「彼が…ここで専属でやってるLuis=Frois〈ルイス=フロイス〉だよ‥!」
「ルイスです‥!!
Oh~!
ヤスケから話聞いてるよ‥!!
ヤスケが言ってた“殿”だね!!」
流暢な日本語で自己紹介を簡単に済ませたルイスはすぐさま殿を見つけ嬉しそうに声を弾ませた。
「いかにも‥織田三郎信長という‥!」
相変わらず後込みもせず堂々と自分の名前を名乗った殿は‥ルイスさんと握手を済ませたその姿を唖然とみていた。