『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
私達はその見事な彼の腕前にすっかり聞きほれていたその中一人…殿だけはDJルイスを鋭い眼力を細め真剣な表情でながめていた。
「まあこんな調子で音を作り出していく事から始まるよ…!
まずは…ディスク一枚で…殿やってみる?」
DJルイスはいきなり殿にディスクを使って音色を作り出す事を要求した。
「よしっ…!」
お…おい…!
と諷馬がいつもの調子でとめようとしたが…DJルイスの横に並んで彼のやり方を見ながらディスクを操る指を真似ながら真剣に打ち込むその姿にさすがに諷馬も言葉を飲み込み見守った。
「…あいつ…。
本気なんだな…。
なぜだかわからないけど…。」
殿が真剣に打ち込む姿を見ながら諷馬は呟いた。
「そうだね…。
しばらく…殿の好きなようにさせてみよう…。」
私の言葉に諷馬を含めた周りのみんなも頷き殿とDJルイスを残して控え室からそっとでた私達は再び大音響の中の人混みへと戻ってきた。