『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「マジかよ…!!
忍…って…!!
こんな現代にありえないだろうっ―――!!」
キラリと光る楔をみた諷馬は…思わず喉を鳴らした後、突如現れた忍の集団に対して声をあげた。
「まあ…単純にいえば…忍者ですね…!!」
徳家くんは表情を崩さず…律儀に答えた。
「いや…徳家先輩…!!
それは…知ってますけど……!!
なんで…今時、忍なんですか……?」
今にも迫り来るその集団に…諷馬は顔を引きつらせた。
…まあ…。
私は…昨夜…肴という忍にあったけど――って心の中で二人の聞こえてきた会話に突っ込んでみる……。
そんな事よりも私は先程…忍達の狙っている魔王の書の事が気になり濃君の隣に並び尋ねた。
「濃君………。
“魔王の書”を狙いとしてきてるみたいだけど‥彼らは何故、魔王の書をそんなに欲しがってるの?」
私の問い掛けに濃君は…ふふと魅惑的な笑みを浮かべて忍びの一味を睨みつけた。
「恐らく…。
この現代の者でない輩の仕業でしょう…。
私達は…“魔王の書”でこの現代に辿り着きました‥‥それこそが‥“魔王の書”を狙う目的だと思いまする!!」