『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
―――どうしたんだろう…?
…さっきまでは忍びがなんでここにいるんだとか騒いでいたような気もするけど…今の諷馬は人が変わったようにまるで冷静にただ一点を見つめて時に目が合えば口角を上げて微笑み目を細めるくらいで…後は氷のように冷静な表情で忍び達一味を見つめた。
諷馬の態度に違和感を覚えた私は…諷馬にその事を尋ねようと口を動かした時…。
全く同じタイミングで…遅いかかってきたのをいっせいに攻撃を開始して襲いかかってきたのが見え思わず意識が前方にいる殿に集中した。
「殿っ……!!」
叫び声を上げながら身体が殿へと足を早める私や殿の前に見えない壁でも立ちはだかるように…先程襲いかかってきた一味は跳ね返された。
ど…どーゆう事?
目の前に突如出現した目に見えない壁の前に…飛び込んできた忍び達は激突したらしく空中にはじかれた。
「どうした…。
丸腰な俺なんて…簡単だったんだろう………?」
弾かれたまま地面に落下して呻き声をあげる忍び連中に対して殿はニヤリと悪態をついた笑いを浮かべる。