『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
ガンッ………!!
ガンッ………!!
トラックの荷台の上から何かの物音が降ってきた。
私達は伏せたままの状態で上目遣いに上空をいっせいに注目する中…荷台の上空から激しく七転八倒するような激しく音が聞こえてくると同時に…トラックも右や左に大きく揺れて私達は思わず頭を抱え伏せながら揺さぶられた。
ガンッ!!
激しく揉み合いう音の次は…いきなり荷台の天井から突き立てるような金属と金属の激しく響いてきたかと思うといきなり…上空から刀らしきモノが突き立てられ殿達はそれをよけつつ天井を睨んでいた。
「肴…!!
手伝えっ!!」
殿は荷台の上部に突き立てられた刃物を見つつ…やがて肴に馬乗りしたまま荷台の天井に持ち合わせたナイフで何やら陣を描き始めた。
途中突き立てられた刃物をよけつつもひとまず魔法陣のようなモノを書き終えた殿は…鞄から魔王の書の呪文をぶつぶつ呟き始めた。
ドドドォォ………ン。
遠くからこだまして聞こえてくる雷鳴の音に気づく。
その音は…殿が魔王の書を呟く声に導かれるようにドンドン近くなってきた。