『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「そういえばなあ…。
京都をでて関東に上る時静岡に入った辺りで“どこまで行くんだ?”って聞かれたんやけど…品川まで行く事をいうたら“…尾張にはいかぬのか?”とか“名古屋城を目指してくれぬか”とか言うてきたからな…名古屋もう過ぎてもうたよ!…って言うたら“なぬっ!?引き戻せ”って言うて聞かへんのや‥!
変な言葉使う奴やなって思ってはおったんやけど…戦国武将の話し語らせたらほんまリアルによう知っとってな‥!
俺もゲームなんかで戦国モノ好きやからめっちゃおもろい奴やわーって感じであまりの話しやすさに猜疑心なくなってもうて仲良うなってもうたからな…!
会社に連絡してまさか追われてる奴とは思わへんかったわ!」
おじさんは男性といた時間に交わした会話を楽しげに話した。
「尾張…。
名古屋城…を目指しているということか…。」
おじさんの話を聞いて諷馬が顎に手を当てて考え込んだ。
「何か引っかかる事でも?」
尾張…。名古屋城…。
このキーワードに思慮深く考え込んだ諷馬を見て私が尋ねた後に…権田教授が続いて言葉を繋げた。