『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「名は…。
お主は…。」
記憶をフラッシュバックし最後に交わした言葉が胸に残り何かを激しく揺さぶった。
「名は…。」
だんだん目の前が霧がかかるように声が 遠のいて胸の奥に響いた。
あの声をどこかで知っている…。
高ぶる鼓動とともに声にならない思いが心の内側で鼓動とともに打ち鳴らした。
「見かけぬ顔だな。
お主…。
名は…!」
「吉乃と申します。」
「そうか…。
俺の名は…信長だ!」
遠い記憶の端で疼いていた何かが噴き出し頭の中に映像として蘇った。
激しく鋭い目で私を凝視するその目が…先程の男性とリンクするように重なり私は思わずその名前を呼んだ。