『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
気を失った先に噴煙が巻き起こった…。
やがて爆音とともに上空から激しく土と地下を支える柱ともに崩れ落ちた。
「殿ーーー!」
爆音に混ざり自分を呼ぶ声が聞こえた。
匍匐前進で声の方向へと進みながら…倒れ込んだ青銅の鐘の中にたどり着きそのまま仰向けに寝転んだ。
「はあ…はあ…はあ…。」
ゆっくり呼吸を整える息づかいが銅鐘の壁に響きこだましてくる。
まるで…遠いどこかに続いている鍾乳洞のように物音だけが遥か遠くへと鳴り響いていく。
「もはや…これまでか…。」
光を奪う静寂な闇に視界を奪われていく先に音だけが微かに届いてきた。