前途多難な彼女と彼氏①
「マジかよ…」


「な?可愛いだろ?」


「……」

いや、そりゃ可愛いけど…未来だからね?
でもさ、アレは一体ナニ?


「やっぱ可愛いから男子にめっちゃモテてんな~」


そう、未来と椎名がヤロー共に囲まれている。


「ねぇねぇ、放課後俺らと遊びに行かない?」

「いやいや、俺とだろ。ね?未来ちゃん」

「んなわけねぇだろ。俺のことが好きなんだよね?」


「えっと…あの・・・」

「ちょっと!あんたたち!しつこいのよ!」

「ちょっと!秋!やめなって!」

「未来はいいから!早くそこどいてよ!」


「は?何言ってんの?こっちが下手に出てりゃいい気になりやがって!」


男が未来の腕を掴もうと手を伸ばした。


ふざけんなよ・・・。

未来に触ろうとしてんじゃねぇよ!!


「おぃ!てめぇら。ふざけんなよ」

「何だよてめぇ!俺らとやろうってのか!?」

「当たり前だろ。未来に触れられてたまるかっつーんだよ」



――10分後――

「く、くそっ!覚えとけよ!!」


「二度と未来に近づくな!」

「翔くん…ありがとう。でも…傷大丈夫・・・?」

そう言いながら未来の目には薄っすら涙が溜まっていた。

「あぁ、心配させてゴメンな」

あぁー…もうだめだ。
限界。



――ギュっ――


「えっ」

「明日校舎裏に来て」

「え・・・あ、わかった」



「ちょっと!宮本!未来から離れなさい!」

「げっ!椎名!じゃ、明日な!」
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