BRACK☆JACK~本章~
☆ ☆ ☆
次の日。
ダウンタウンの空は、どんよりと曇っていた。
早々と起きだした二人は、いつの間にレンが用意した車に乗ってダウンタウンを抜け出し、ビジネス街へと向かう。
理由は何も聞いていなかったが、どっちにしろいい事ではないような気がして、余計な事は言わないことにしようと、助手席でミサトは思う。
途中で立ち寄った店で洋服を買って来いと言われ、不本意ながら言われたとおりにする。
「ったく…なんであたしがあんなヤツの言うこと聞かなくちゃならないのよ」
ぶつぶつ言いながら着替えを済ませる。
しかも、どこぞのパーティーにでも出かけるような深紅のドレス。
歩きにくいことこの上ない。
それでも、ミサトはまるで人形のように、メイクアップも髪の毛のセットも、されるがままにして。
「へェ…別人みてぇじゃねェか」
運転席で待っていたレンは、ドレスアップしたミサトを見て、感心したように言った。