BRACK☆JACK~本章~
 敵の意識がそっちに集中した一瞬の隙に、レンとミサトは走り出す。


「出口は?」

「あのエレベーターしかねェ」

「マジですか!?」

「とにかく走れ!」


 案の定エレベーター近くには、敵がこれでもか、というほど待機していた。


「俺が惹きつける」

「何ですって?」

「うるせェ。さっさと行け」


 何よその言い方、と文句を言うのは、今は後回しにしておく。

 というのも、レンゾが逃げる方向を左に転換したからだ。


「ち…ちょっと…いくらなんでも」


 …考えてみたら。

 この組織が狙っているのはレンで。

 自分は、いわばオマケでしかないのだ。
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