BRACK☆JACK~本章~
 同時にドアは閉まり、ゆっくりと動き出す。

 レンことも気になったが、さっき見かけたあの茶髪の男 。


「エイジ…」


 閉まったドアに手を掛けて、ミサトは呟いた。

 そんなミサトを、女は無表情のまま見つめ。


「忘れ物よ」


 そう言って、何かをミサトに向かって投げた。

 思わず手にとって見ると、それは一枚のコインだった。


「あなたのよ」

「…ブラックジャックだったのよ、あたし」


 手のひらのコインを見つめながら、ミサトは小さく呟く。


「あら、ゲームは無効よ。彼が途中であんな騒ぎを起こしちゃったから」


 くぅぅ~、とミサトは奥歯を噛みしめる。

 そんなミサトを見てくすっと笑い、女は言った。
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