BRACK☆JACK~本章~
「ところでさっき、エイジって言った?」
「そうよ。あたしがずっと探してた人…。だからあたしは、この街に来たの。知ってるの、彼のこと…?」
ミサトが聞くと、女は少しだけ考え込むような素振りを見せた。
「…わたしがもし知っていても、それをあなたに言う義理はないと思うの」
「嫌な女ね」
ミサトは、そう言って女を睨み付けた。
「ところで何処まで昇るのかしら、このエレベーター」
「屋上よ」
どうすんのよ、と呟いた時、エレベーターは静かに止まる。
屋上に上がると、女は隠してあったらしい箱を、ごそごそと取り出す。
その中からは、武器らしいものがいくつか出てきた。
「飛び移るのよ、隣のビルまで」
「…冗談でしょ」
「大丈夫、ロープ渡すから」
にっこりと笑いながら、平然とそんなことを言う女。