BRACK☆JACK~本章~


「何を知ってるの?」


 さっきまでとは違う、冷たい視線。

 それを見て、ミサトは悟る。

 ……この女、プロだ。

 少しでも動いたら、何の躊躇いもなく引き金を引かれる。


「質問の意図が分からないわ」


 ユイを睨み返しながら、ミサトは言った。

 パレオ一枚の身体には、武器は身に付けていない。

 応戦できそうなものはここにはなかった。

 相手が武器を持っている以上、不意打ちで、しかも一撃で倒さないと、こっちがやられる。


「素直になるタイミングって、難しいものね」


 そう言ってユイは、銃のトリガーを引く人差し指に力を込める。

 だがこの女、不意打ちどころか、微塵も動く隙を与えてはくれない。


「やめろ」


 ふと、声がする。

 振り返ると、そこにはボロボロの格好をしたレンが立っていた。
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