BRACK☆JACK~本章~
「ちょっと話し相手になってもらおうと思っただけよ 」
さっきまでの表情とは打って変わって、ユイは銃を下ろすとにこやかに言った。
「気の利いた会話なんてできねェだろ、こいつ」
「あら、そんなこと言うもんじゃないわ」
さっきから固まったままのミサトの隣に、レンはよっこらしょ、と腰を下ろす。
そして「どうした?」とその顔を覗きこむ。
「…っだんじゃ…」
「ん?」
「じょおっだんじゃないわよっ!! なんであたしがこんな目に遭わなきゃならないのっ!! たった今から別行動よ、あんたたちとはっ!!」
そう言い捨てて、ミサトはずかずかと大またで砂浜を歩き出す。
だがその時、一発の銃声が聞こえて、ミサトの耳元に飾ってあったハイビスカスの花が弾け飛んだ。
「…そのパレオ、わたしのよ?」
まだ硝煙の残る銃口をミサトに向けながら、ユイは言った。