BRACK☆JACK~本章~
【4】
【4】
「…交渉? 君がかい?」
カジノのビップルームで向かい側に足を組んで座る男は 、嘲笑を浮かべながら言った。
「あァ、そうだ」
何人もの男たちが自分に銃を向ける中、なんの気後れも見せずに、レンは頷く。
「…まぁ、私も君に会いたいと思っていたんだよ。そちらからわざわざ来てくれるなんて思ってもいなかったしね。それで」
その男――ロン――は、レンのほうに少し身を乗り出す。
挑発的な眼差しで、その瞳を見つめて。
「……何が望みだ?」
「俺の望みは、金じゃねェ。わかってんだろ?」
ロンはふっと笑って、ワイングラスを持ち上げた。
その指には、黄金のドクロの指輪がはめられている。
「そうだな…わかっているよ。だが残念ながら…君の望みは叶いそうにない」
その言葉に、レンの眉がピクリと動く。