BRACK☆JACK~本章~
 レンは、軽く目を閉じて。


「さァな」


 と、言い終わるか終わらないかのうちにこの場を飛びのいた。

 カジノが見渡せる、大きな窓ガラスに向かって。

 派手な音を立てて、ガラスは粉々に割れた。


「撃つな。他の客に当たる。ヤツは生け捕りにしろ」


 ロンは部下に指示を出す。

 そして、レンが逃げた方向を、忌々しそうに睨み付けた。


「まだ、手はある…こちらには切り札がいるのだからな」


 そう呟いて、ロンは奥の部屋へ続くドアを開けた。
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