BRACK☆JACK~本章~
「おめぇもプロならわかるだろ。余計な感情は身を滅ぼすだけだ」
ゆっくりと、言い聞かせるようにレンは言う。
「それに、今あいつに会いに行っても無駄なんだよ」
「…どうしてよ?」
「あいつは今…記憶を失ってる」
レンの言葉に、ミサトの身体から力が抜けた。
「……どういうこと?」
「俺とあいつは、ある麻薬ルートの情報を追っていた。そして、その全てが記録されたディスクを手に入れたところで、俺たちは結局、組織に捕まっちまった…」
そしてエイジは、レンを逃がすためにその場に残る。
その時の怪我がもとで、記憶を失ったのだという。
「そのディスクは、どこにあるの?」
「今は、組織が持ってる。だが、アクセスコードがねェと中身は開けねェ」
「アクセスコード…」
茫然と、ミサトは呟いた。