BRACK☆JACK~本章~
「泣くなよ」
「泣いてないわよ」
ミサトはレンを見上げる。
そしてふと、あることに気付く。
「ちょっと待って。ゃ、組織はサエイジの記憶が戻るのを気長に待ってるって言うの?」
「いや。俺が昨日、何の為にあのカジノに行ったと思ってるんだ?」
そこまで言われて、ミサトははっとする。
「ま…まさか」
「そのまさか、だ」
レンは、自分の頭を指差して笑う。
そのディスクのアクセスコードは、レンも知っているのだ。
もしくは、知っていると嘘をついて、交渉するため。
そして昨日カジノに行ったのは、そのことを組織と取引するため。
取引内容は、アクセスコードとエイジの命。