BRACK☆JACK~本章~


「何か用かしら」


 その男たちを睨み付けて、ユイは言った。


「その男を引き渡せ、との命令です」

「引き渡せ? モノじゃないのよ」

「逆らえばあなたも拘束されます、ミス・ユイ」

「…硬い頭じゃ、広い世界は見えないわよ」


 そう言ってユイは、スカートの下に隠し持っていた銃で、ロンの部下を撃った。


「ユイさん…!?」


 部下たちが動揺する。

 だが表情一つ変えずに、ユイは銃をしまうと、凛とした口調で言い渡す。


「今すぐに人を集めて。ロンを…殺すわ」


 エイジは黙ってユイを見つめていた。

 今朝長老の殺害を聞いて、いきり立っていた部下たちはこぞって準備に取り掛かる。
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