BRACK☆JACK~本章~
 少し進んだところでふと、ミサトは立ち止まる。

 何か様子がおかしい、とレンも感じていた。

 風にのって時折聞こえる大きな物音と、遠くからは煙のようなものが立ち上っていて。


「なんなのよ、あれ」

「あそこは本部の建物だな。…まさかユイ…」


 レンは走り出す。

 慌ててミサトも、その後に続いた。


「早すぎるんだよ、あいつ…!!」


 ここから本部までは、約500mある。


「あそこまで、走れっていうの!?」


 そう言っている間にも、普通の民家らしき建物から銃撃を受けている。

 ミサトは物陰から狙ってくる敵を、走りながらも確実に 仕留めていった。

 そのほとんどは、一撃である。

 街中の道は迷路のように複雑に入り組んでいて、直線には進めそうにもない。

 しかも、侵入者に対して、この容赦ない攻撃。
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