BRACK☆JACK~本章~



☆  ☆  ☆




「侵入者は二人。人はレン・マキハラ。もう一人は…」


 ロンのオフィスで、部下は少し言いよどんだ。


「何だ、言ってみろ」


 窓の外を眺めながら、ロンはその先の報告を促す。


「女です…銃の腕は物凄くいいようです」

「女? それだけか?」


 ロンは、眉をしかめた。


「はい。調べたのですが、どのデータにも、その顔も名前も載ってはいませんでした…」

「データがない?」


 おかしいな、とロンは首をかしげる。

 そんなに腕のいい人間なら、組織のデータに載ってこないわけがない。


「これが、先ほど部下が撮った女の顔写真です」


 部下は、一枚の写真をロンに渡す。

 その顔を見て、ロンはごくりと息を呑んだ。

 見覚えがある。

 確か、名前を…名乗っていた。


「ご存知でしたか?」

「ミサト…とか言ったな…何故、生きている?」

「…?」


 しばらく、ロンは沈黙する。
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