BRACK☆JACK~本章~
 記憶の断片は、途切れ途切れに甦る。

 この銃弾の嵐の中を駆け抜けるごとに、その回数はどんどん増えていく。

 それなら、このままここを離れるわけにはいかない。

 あの星を、この手で確かめるまでは。

 何処へ行けばいいのかは分からない。

 だけど、真っ直ぐに走ってみせる。

 ユイはロンを倒すと言っていた。

 今、自分に出来る事は。


「西の隅の最上階、だったな…」


 煙草に火をつけて。

 エイジは、走る方向を変えた。
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