BRACK☆JACK~本章~



☆  ☆  ☆





 いい加減、息も上がってくる。

 ミサトとレンは、ようやく本部ビルの前までたどり着いていた。

 建物の影に身を隠し、改めてそのビルを見上げる。


「…一応、聞くけど」


 ビルの前には、物凄い数の組織の連中がいる。

 それぞれに銃を持ち、猫の子一匹入る隙間もない。

 ミサトは、うんざりした顔でレンに聞いた。


「これから、どうする気?」

「面倒臭ェことは性に合わねェ。正面突破だ」

「…あんた…そのうち、命を落とすわよ…」


 こういう答えが返ってくるのは大体想像できたが。

 ただ、全面ガラス張りのそのビルの外側からは侵入できそうにない。

 ビルの構造上、ここは正面突破するのが一番手っ取り早い方法なのかもしれない。

 ミサトは、ため息をつきながら弾奏を取り替える。
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