BRACK☆JACK~本章~


「…んじゃ」


 カチャ、と銃を構えて。

 レンも刀を一振りして、真っ直ぐに前を見据える。


「行きますか」


 ミサトが一発、銃を撃った。

 同時に、辺りは激しい銃撃戦と化す。

 レンは、走りながら敵を打ち倒し、その援護をする形で、ミサトが確実に銃で敵を仕留める。


「……エイジ…!!」


 ミサトは呟く。

 奥歯を噛みしめて、続けざまに引き金を引きながら。

 この中に、エイジがいる。

 もう、こんなに近くに。

 だが、ふとレンの言った言葉が脳裏に浮かぶ。


『ヤツは今、記憶を失っている』


 ……自分のことも、覚えていないのかもしれない。
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