BRACK☆JACK~本章~
「ミサト!!」
はっと気付いたときには、遅かった。
敵の銃弾がミサトの肩をかすめる。
レンは、ミサトを撃った敵をなぎ倒し、バランスを崩したミサトの身体を支える。
「バカ野郎、集中しろ」
「…ごめん…」
レンはミサトを抱きかかえるようにしたまま、ビルの中に転がり込んだ。
その途端、微かに空を切る風切り音がして、二人は反射的にその場を飛びのいた。
床に倒れて、ミサトは呻く。
前を見ると、真っ黒なコートを着た男が立っていた。
「ツァンダオか」
「…光栄だ。俺の名を覚えていてくれるなんてな」
レンの言葉に、ツァンダオは無感情に答える。
「立てるか」
肩を押さえながら立ち上がるミサトに、レンは小声で言う。