BRACK☆JACK~本章~
「先に行け。ここは俺が」
「知ってるの、こいつ?」
「あぁ、殺しのプロだ。前に少し、借りがあるんだよ」
「大丈夫?」
「心配すんな」
微かに笑って、レンは言った。
「ターゲットは、お前ら二人だ。どっちかが逃げても、俺は確実に任務を遂行する」
ツァンダオが静かに言う。
「…ホント、プロの王道を行ってるわね」
そこへ、ナイフが投げ込まれる。
ミサトはレンとは反対方向に避けながら、ツァンダオに向かって銃を連射した。
だがそれは、ことごとく避けられる。
ウソでしょ、とミサトは呟いて。
「確実に狙ったのに…」
「相手にすんな。…行け!!」
向こう側で、レンの声がする。
ミサトは、無言のままエレベーターに乗った。