BRACK☆JACK~本章~
 ミサトは無言のまま、正面に見える階段を登っていった。


「残念だが」


 ゆっくりと、ツァンダオの目の前に歩み寄るレン。


「テメェの任務は、遂行不可能だ」

「…何故だ?」

「テメェはここで終わりだからな」

「残念だが、お前の予言は外れだ」

「予言じゃねェ。未来は自分で作るモンだ」


 にやりと笑ってレンはツァンダオに先に仕掛けた。

 だが、その刀はツァンダオのナイフに止められる。


「…ほう…そんな小さなオモチャで、よく止めたな」

「問題は大きさじゃない…刃物というのは、使い手によってどんな能力も身につけるものだ」

「…ごもっとも」


 レンはそう言って、一旦間合いを取る。

 息を整え、相手を見つめ。


「じゃ、本気で行くぜ」


 ふっと息を吐きながら、レンはツァンダオに向かって飛び掛かった。
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