BRACK☆JACK~本章~


「敵じゃねェのか…?」

「当たり前よ。このディスク、裏ルートの?」


 エイジは頷く。

 パスワードを入力してください、と画面には文字が点滅していた。


「このパスワード、エイジが考えたのよね?」

「…分からねェ…だけど、このディスクが何かの鍵だってことは、思い出したんだ」


 ため息混じりに、エイジはそう言った。

 ミサトは画面を見つめる。


「肝心なことは、なかなか思い出せねェもんだな…」


 ミサトは画面を覗き込む。

 パスワードは、16桁。

 ミサトはパソコンに歩み寄り、キーボードを叩く。

 すると、画面が開いた。


「…こんなに簡単なパスワード忘れるなんて…ダメね、エイジ」


 微かに笑いながら、ミサトは言った。


「“偶然の出来事”…か」

「いつも言ってたじゃない」

「そうだった…な」


 エイジは噛みしめるように、こめかみを押さえた。
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