BRACK☆JACK~本章~
「ホントに、俺を見つけてくれたんだな、ミサト」
「…うん。約束だから」
エイジは一瞬、ミサトを抱き寄せる。
だがすぐに、どちらからともなく真顔に戻って。
「ユイは?」
「ロンを殺しに行く、だとよ。ユイは、長老を殺したロンに対して、反乱を引き起こした」
「反乱…」
やっぱり、とミサトは思う。
最初に会った時から、やることが大胆で大雑把。
でも。
「キライじゃないな、そういうの」
ミサトは笑う。
「それはそうと、あいつは?」
「下で戦闘中よ。ツァンダオとか言う、ナイフ使いの殺し屋」
どうしてこの二人は、お互いに“あいつ”と呼び合うのだろう、とミサトは不思議に思う。
「ユイは何処に?」
「西側の最上階。ここの案内なら、任せておけよ」
二人は部屋を出て、廊下を走る。