BRACK☆JACK~本章~
【9】
【9】
最上階のフロアは、何も仕切りがないフロアだった。
床には何人もの人間が倒れていて、今立っているのはミサトとレン、エイジ。
そして、奥にはユイとロン、その後ろに男が三人立っている。
「ユイ!!」
レンが叫ぶ。
ユイは、ゆっくりと振り返ると、そのまま床に倒れた。
「一足、遅かったようだな」
ロンは静かに言った。
「テメェ…!!」
レンは、ロンに向かって走り出す。
だがそれを、ミサトが止めた。
「待って! 今行っても、ユイが…!!」
ロンの後ろに立っていた男が、ユイにナイフを突き付けている。
ユイは、苦しそうに呻いた。
この距離では、例え一撃でナイフ男を倒せたとしても、発砲した途端にユイの喉を掻き切るくらいのことはされかねない。