BRACK☆JACK~本章~


「ツァンダオ…!!」


 茫然とするレンの肩に、エイジは手を置いた。


「ツァンダオは何人もいるんだ。その呼び名は、通称でしかねェんだよ。顔も服も、その戦闘技術もそのままにな」

「…どうやら、記憶が戻ったらしいな」


 ロンは、嘲笑を浮かべながらそう言った。


「君達にはあとでゆっくり、ツァンダオの相手をしてもらおう。 だがその前に」


 ロンはユイを見下ろす。


「ユイが殺されるのを黙って見ているか、アクセスコードを教えるか…言っておくが、これは交渉じゃない」


 ロンは言った。


「そのディスク、コピーしたか?」


 煙草に火をつけながら、エイジはロンに聞いた。


「まさか…最重要機密だ、コピーでもして外部にもれる危険をわざわざ増やすこともない」

「それを聞いて、安心したぜ」


 エイジはジャケットの内ポケットから、一枚のディスクを取り出す。


「ま、まさか…!」

「言っとくがな、これは交渉なんかじゃねェ。脅しだ」


 にやりと笑い、エイジは言った。

 ロンの顔色が、見る見る変わっていく。
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