恋せよオジョー!
ギロリ、こちらに恭弥が視線を向ける。
疑われているのだろうか。
「・・・・・・・」
じーっと、わたしを見つめる恭弥。
「さっさとやっちゃってぇ!」
いけいけ、と恭弥の背中を押すギャル。
「・・・・・・・」
黙ったまま、ずっと、こちらを見つめる。
ただただじーっと。
ここにいる人たち、全員が、黙る。
少しの沈黙のあと、スっと恭弥の手が動く。
(ぶ、ぶたれれる・・・・!!!)
そう思い、ギュッと目を閉じ、体全体に力がこもる。
その時小さく「ざまぁ」そう聞こえた。
きっとギャル達だろう。
確実に殴られると思ったのに・・・・
「大丈夫だったか・・・?」
とても優しい声が聞こえ、ふわりとわたしの頭の上に大きく、骨ばった手を置く。
その瞬間、ドキリと心臓が高鳴る。