恋せよオジョー!
わたしは何をされるのだろう、と全くわからないまま、鏡越しに蓮の様子を伺う。
ちゃかちゃかちゃかと取り出したのは、メイク道具。
準備が出来たのかと思うと、せっせとわたしの顔に何かし始める。
「えっ・・・あ、あの・・・!」
「はいはい。黙って黙って」
そう言ったかと思うと、蓮の綺麗な顔が近づく。
(わわ・・・っ)
ドキドキと心臓が大暴れ。
(ど、どうしよう。顔、赤いかも・・・)
メイクのためなのか、蓮の顔がめちゃくちゃ近くにある。
そのため、わたしは落ち着けない。
「はい。しゅーりょー」
パッと目の前にある鏡を見てみる。
「・・・・だ、だれ?」
「お前さんよ。お前さん」
目の前にいるのは、いつものわたしではない。
本当に、自分でも疑ってしまうほど。
ものの10分ちょっとしか経っていないのに、この完成度は、結構すごい。
「じゃ、次髪ね」
そう言って、わたしの髪の毛をいじり始める。
わたしの髪はいつもストレートなのだが、連がくるくるとカールにした。