恋せよオジョー!


それでも、わたしの足は進まない。


「早くおいでって」


「え、でも・・・」


「大丈夫だって。ほら、おいで?」


その言葉に、なぜだかひとりでに足が動く。


きゅっと腕を捕まれ、恭弥たちのいる部屋に一緒に移動する。


「ねぇ、なんで来るの渋ったの?」


「だ、だって・・・」


「ん~?」


「に、似合わない・・・じゃ、ない、です、か・・・」


少し恥ずかしかったので、うつむいて蓮に訴える。


「そんなわけない。だって俺がメイクしたし」


ピタッと部屋の扉の前で止まる。


クルッとわたしの方を向く蓮。


「だ~いじょうぶだって」


にへらっと笑ってみせる。


< 65 / 92 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop