恋せよオジョー!
こんなものをもう一度とはたまったもんじゃない。
ジェットコースターとやらを好き好んで乗る人の気がしれない。
あんな絶叫マシーン…。
「え~、乗んねぇの?何しに来たのよ~」
つまらなそうにブーブー言う蓮。
だが、仕方ない。
無理やり連れてこられたと言っても過言ではないこの状況。
わたしは文句言われる筋合いなんてあるのだろうか?
「か、勝手に連れてきておいてそれはないんじゃないですか…!?」
「…つまんねぇのか?」
少し不安そうにわたしの顔を覗き込む恭弥。
そのあまりにも綺麗な顔がグッと近づいてきたため、どきりと胸が高鳴る。
「あ、い、いいえ!つまらなくはないですっ!」
焦って言葉を紡ぐ。
そして正直な気持ちを告げる。
別に楽しくないわけではない。
本当だ。
「…そうか」
ほんの少しだが、恭弥の表情から緊張が解けた、そんな気がした。