world's end


トンネルを越えると、話し声が大きくなる。


「ねーまじ緊張するねえ」

「こんな勉強したの生まれて初めてだよ~」

ギャル達は、明らかに黒染めした髪と普段は着崩しているであろう制服を、今日だけは模範的に着こなしている。


私にも、ちゃんと友達はいたんだ。昔は。
でも皆変わってしまった。


何組のなんとかくんがかっこいいだの芸能人のなんとかくんが~だの、

着いていけない話題に愛想笑いで応えるのもつらくなり、やがて誰とも話さなくなった。

そして友達だと思っていた人たちから影で言われるようになったのは、

『根暗』
『ガリ勉女』

という言葉で。


……なんで今日みたいな日にこんなことを思い出すんだろう。

耳を塞ぎたい衝動に駆られて、
大好きな音楽ばかりの音楽プレイヤーを取り出して
無理やり耳にイヤホンを詰め込んだ。
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