world's end
改札を抜けると
道案内の立て札を持ったスーツ姿の おそらく先生であろう人が立っていた。
説明会で何度か高校には足を運んだので道は分かる。
話を聞く限り 授業の進みが早く英語に力を入れているという進学校にありがちな特徴があった。
そろそろ気持ちを切り替えよう、とイヤホンを取って歩く。
すると不意にポンポン、と肩を叩かれた。
「さっき同じ電車だったよね?」
そう、これが女の子であれば早くも友達が!なんて喜んでいただろう。
しかし中学で男が苦手になった……低い声を聞くと意味なく動悸がする。
はい……とかあんまりはっきりしない返事を返す。
さっき窓側に立っていた人だ。
背が、高い。そして俗に言うイケメン。顔が直視できなくて私は俯く。
「もしかして、さっき泣いてた?」
見られたんだ。恥ずかしい……
不審そうな顔をしたのも、そのせい?