ふたり輝くとき
古代、名を馳せたユベールとサラのチャクラは今も城の地下室に保存されている。小さな箱の中、光の速さで流し続けることで時間の穴をつくり、時を止めて劣化しないようにしているのだ。
そんな昔から研究が続いていたということ――ルミエールに光り輝いていた時代など存在しないことは明らかだ。そして、実験は今も続いている。
人の身体に本人と異なる存在を入れれば、当然衝突が起こる。チャクラの場合も同様、まったく異質なチャクラ――それも、かなりの力の強さであるそれを受け入れられる“実験体”は珍しい。
「何人もの王子を殺してから、やっと気づいたんだよ。それで、僕が生まれた」
ユベールはサラの右手に自分の左手を重ねた。
「母上がこの城へ連れてこられた理由はたった1つ。風属性の入った王子を産むためだ」
「風、属性?」
サラが困惑した瞳をユベールに向ける。
「僕は光属性だよ。でも、外に表れないだけで4分の1は風属性だ。母上は風と光のハーフだからね」
属性の遺伝は、優勢・劣勢がないために量が物を言う。
アンナの父親は隣国ヴィエントの人間で風属性。光属性の母親とのハーフである彼女はどちらの属性も使えるが、そのまた半分の風属性しか持たないユベールが使えるのは光の呪文のみ。
「父上は気づいたのさ。第14代国王ユベールにも、風の気がほんの少し混じってるってことにね。だから、僕にはユベールのチャクラが根付いた」
全く異なる存在は受け入れない。ならば似せればいい。そんな安易な考えだったけれど、それは成功した。ユベールが生きているのがその証拠。
そんな昔から研究が続いていたということ――ルミエールに光り輝いていた時代など存在しないことは明らかだ。そして、実験は今も続いている。
人の身体に本人と異なる存在を入れれば、当然衝突が起こる。チャクラの場合も同様、まったく異質なチャクラ――それも、かなりの力の強さであるそれを受け入れられる“実験体”は珍しい。
「何人もの王子を殺してから、やっと気づいたんだよ。それで、僕が生まれた」
ユベールはサラの右手に自分の左手を重ねた。
「母上がこの城へ連れてこられた理由はたった1つ。風属性の入った王子を産むためだ」
「風、属性?」
サラが困惑した瞳をユベールに向ける。
「僕は光属性だよ。でも、外に表れないだけで4分の1は風属性だ。母上は風と光のハーフだからね」
属性の遺伝は、優勢・劣勢がないために量が物を言う。
アンナの父親は隣国ヴィエントの人間で風属性。光属性の母親とのハーフである彼女はどちらの属性も使えるが、そのまた半分の風属性しか持たないユベールが使えるのは光の呪文のみ。
「父上は気づいたのさ。第14代国王ユベールにも、風の気がほんの少し混じってるってことにね。だから、僕にはユベールのチャクラが根付いた」
全く異なる存在は受け入れない。ならば似せればいい。そんな安易な考えだったけれど、それは成功した。ユベールが生きているのがその証拠。