ふたり輝くとき
「セントロの位置が属性によって違うってことも習ったでしょ?僕ら光属性は額、でも風属性は胸にある」
ユベールは自分の額と胸の中心を順番に指差した。
「僕には2つ、セントロがあるってこと。4分の1しか入ってない風のセントロの方は小さいみたいだけど」
つまり、2つ以上の属性を持つ者はその属性のチャクラを処理・保管する場所であるセントロも属性の数だけ持っているということだ。
第18代国王ユベールに風属性のチャクラが混じっているのに、光属性のセントロしか持たない人間にそのチャクラを流し込んでも身体はそれを受け止める場所を持っていないのだから順応しない。それがたとえ少量だとしても。
ならば風属性のセントロを併せ持つ人間を……そして目をつけられたのがアンナだった。
「母上の母親の家系はルミエールの重臣を務めている上流貴族だ。でも、どこで出会ったのかヴィエントの貧乏な貴族と恋に落ちた」
2人は駆け落ちしてヴィエントでひっそり暮らしていたけれど、アンナやアンナの弟も生まれて生活が苦しかったらしい。
当時は財務大臣担当だったアンナの母方の祖父は、アンナをルミエールへ戻すことを条件に彼らの借金を肩代わりすることを提案した。
アンナの両親はそれを飲んだ。いや、おそらく飲まされたのだと思う。
「脅されたか、本当に殺されかけたか知らないけど、従わざるおえない状況に追い込まれたんでしょ。父上が糸を引いてたんだから当たり前だけど」
「ユ、ベール様……」
サラが震える声でユベールを呼ぶ。真っ青な顔は、病み上がりというだけではない。
ユベールは自分の額と胸の中心を順番に指差した。
「僕には2つ、セントロがあるってこと。4分の1しか入ってない風のセントロの方は小さいみたいだけど」
つまり、2つ以上の属性を持つ者はその属性のチャクラを処理・保管する場所であるセントロも属性の数だけ持っているということだ。
第18代国王ユベールに風属性のチャクラが混じっているのに、光属性のセントロしか持たない人間にそのチャクラを流し込んでも身体はそれを受け止める場所を持っていないのだから順応しない。それがたとえ少量だとしても。
ならば風属性のセントロを併せ持つ人間を……そして目をつけられたのがアンナだった。
「母上の母親の家系はルミエールの重臣を務めている上流貴族だ。でも、どこで出会ったのかヴィエントの貧乏な貴族と恋に落ちた」
2人は駆け落ちしてヴィエントでひっそり暮らしていたけれど、アンナやアンナの弟も生まれて生活が苦しかったらしい。
当時は財務大臣担当だったアンナの母方の祖父は、アンナをルミエールへ戻すことを条件に彼らの借金を肩代わりすることを提案した。
アンナの両親はそれを飲んだ。いや、おそらく飲まされたのだと思う。
「脅されたか、本当に殺されかけたか知らないけど、従わざるおえない状況に追い込まれたんでしょ。父上が糸を引いてたんだから当たり前だけど」
「ユ、ベール様……」
サラが震える声でユベールを呼ぶ。真っ青な顔は、病み上がりというだけではない。