ふたり輝くとき
――それと、時を同じくして。

薄暗い寝室、熱い吐息が混ざり合って部屋の温度と欲を高めていく。

ノックの音の後、入ってきたのは自分専属の侍女だった。開いた扉から澄んだ空気が素肌を撫でる。

「何だ?」

ダミアンは行為を中断することなく用件を問う。侍女も慣れた光景に顔色を変えることなく軽く頭を下げた。

「サラ様がいらしております」
「サラ?」

意外な訪問者に、ダミアンはフッと息を吐いてベッドを降りた。

「ダミア――」
「お前はもういい。早く着替えて部屋に戻れ」

甘えた声を出す女にそう言い残してガウンを羽織り、リビングへと出るとサラがソファに座ってダミアンを待っていた。

サラはドレスではなく、寝間着を着ていて少し顔色も悪いようだった。

「あ……ダミアン様」
「サラ。体調を崩していると聞いたが?」

ダミアンが問うと、サラは戸惑ったようにコクリと頷いて立ち上がった。

サラの力の暴走やその後の経過などは報告を受けていたからダミアンも知っている。

ダミアンが近づくとサラは潤んだ瞳でダミアンを見上げてきた。

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