ふたり輝くとき
第五章:影を消す方法
爆発
サラはルミエール城の大きな謁見の間の中心に立たされ、大勢の人々の注目を集めていた。
気づいたときにはベッドの上で寝かされて――繋がれて――いて、目を覚ませばすぐに縄で縛られてこの場所に連れてこられた。
熱があったはずだけれど、それもトラッタメントが施されたのか立てる程度には下がっている。だが、自分の置かれている状況はさっぱり理解できない。
ざわめきが一段と大きくなり、顔を上げるとダミアンが怒りの形相で部屋に入ってきて王座に着いた。
「ユベールはどこだ!?」
「ここですよ、父上」
ダミアンが叫び、サラの後ろで扉が開く。
サラが振り向くと、同じように縛られたユベールがロランに連れられて歩いてくる。ロランはユベールをサラの隣に立たせると、自分はダミアンの近く、高くなっている王座の下に立った。
「皆さん、静粛に。ここに――」
「そんな御託はいらん!早くその2人を殺せ!」
ロランの言葉を遮って、ダミアンはユベールとサラを指差して喚いた。
「ダミアン様!お待ちください!」
すると、アンナが王座に駆け上ってダミアンに縋り付く。
「ユベールはサラに嵌められたのですわ。あの子がこんな愚かなことをするはずがありません。貴方もそれはご存知のはずだわ!」
「アンナ様、ユベールは追っ手に抵抗もしています。自らの意志で逃げた、ということです。それは、後ろ暗いことがあるからではないのですか?」
ロランがアンナの肩に手を置いてそう言うと、アンナは金切り声を上げてそれを振り払った。
「触らないでちょうだい!ユベールはジュストを目覚めさせるためにクラドールだって探していたのよ!それに比べて、サラはロラン派のジャンの娘。ユベールを陥れるために仕組んだことに違いないわ!ユベールは騙されたのよ!」
「ええい!うるさい!」
ダミアンは縋り付くアンナを蹴り飛ばし、アンナの身体が数メートル飛ぶ。
気づいたときにはベッドの上で寝かされて――繋がれて――いて、目を覚ませばすぐに縄で縛られてこの場所に連れてこられた。
熱があったはずだけれど、それもトラッタメントが施されたのか立てる程度には下がっている。だが、自分の置かれている状況はさっぱり理解できない。
ざわめきが一段と大きくなり、顔を上げるとダミアンが怒りの形相で部屋に入ってきて王座に着いた。
「ユベールはどこだ!?」
「ここですよ、父上」
ダミアンが叫び、サラの後ろで扉が開く。
サラが振り向くと、同じように縛られたユベールがロランに連れられて歩いてくる。ロランはユベールをサラの隣に立たせると、自分はダミアンの近く、高くなっている王座の下に立った。
「皆さん、静粛に。ここに――」
「そんな御託はいらん!早くその2人を殺せ!」
ロランの言葉を遮って、ダミアンはユベールとサラを指差して喚いた。
「ダミアン様!お待ちください!」
すると、アンナが王座に駆け上ってダミアンに縋り付く。
「ユベールはサラに嵌められたのですわ。あの子がこんな愚かなことをするはずがありません。貴方もそれはご存知のはずだわ!」
「アンナ様、ユベールは追っ手に抵抗もしています。自らの意志で逃げた、ということです。それは、後ろ暗いことがあるからではないのですか?」
ロランがアンナの肩に手を置いてそう言うと、アンナは金切り声を上げてそれを振り払った。
「触らないでちょうだい!ユベールはジュストを目覚めさせるためにクラドールだって探していたのよ!それに比べて、サラはロラン派のジャンの娘。ユベールを陥れるために仕組んだことに違いないわ!ユベールは騙されたのよ!」
「ええい!うるさい!」
ダミアンは縋り付くアンナを蹴り飛ばし、アンナの身体が数メートル飛ぶ。