ふたり輝くとき
「ねぇ、サラ」
目を閉じてしまったユベールに気を取られていたサラは目の前に立ったロランに呼びかけられ、ハッと顔を上げた。
「君は……大罪を犯した」
「わ、私……何も……」
ジュストが殺されて自分が犯人だと思われていることは理解できた。だが、なぜそうなったのかサラにはさっぱりわからない。そもそもサラはジュストの隠されている部屋すら知らなかったし、犯行のあったらしい日はサラが城を抜け出した日――つまり、サラはずっとユベールと一緒にいたのだ。
だが、ユベールも一緒に逃げてしまったことで、それを証明できない。
「何も?それはおかしいね……父上は、君が訪ねてきてジュストに会いたいと言ったと言うんだ。その身体を武器に、ね」
「そんな――っ」
サラは驚きに目を見開いた。
「ジュストの居場所を知った君は、夜が明ける前にジュストを殺した。君の意志だったのかな?それとも、ユベールに頼まれて?第一王子のユベールにとって、ジュストが一番邪魔な存在だったからね……」
ロランはサラの頬をそっと撫でた。サラはその冷たい手にゾッと背筋が凍った。
「何を言うのです!?サラがユベールを誑かすことはあっても、ユベールがそんなことをするはずがありません!」
アンナが大声で言い返すが、ロランはそれを取り合うことなく続けた。
「父上、俺はサラを気に入っているんです……サラがユベールを想うあまり手を貸したと言うのなら、殺すのはもったいないと思いませんか?こんな一途で“従順”な娘はそういない」
その後、ロランはそっとサラの耳元に唇を近づけて小さく囁いた。
「俺なら、君を助けてあげられる……君が俺を愛してくれるのなら、ね」
ロランを愛す――王となる彼の伴侶となり、時代を変える。おそらく彼の子を産むことまでも含まれた言葉。
目を閉じてしまったユベールに気を取られていたサラは目の前に立ったロランに呼びかけられ、ハッと顔を上げた。
「君は……大罪を犯した」
「わ、私……何も……」
ジュストが殺されて自分が犯人だと思われていることは理解できた。だが、なぜそうなったのかサラにはさっぱりわからない。そもそもサラはジュストの隠されている部屋すら知らなかったし、犯行のあったらしい日はサラが城を抜け出した日――つまり、サラはずっとユベールと一緒にいたのだ。
だが、ユベールも一緒に逃げてしまったことで、それを証明できない。
「何も?それはおかしいね……父上は、君が訪ねてきてジュストに会いたいと言ったと言うんだ。その身体を武器に、ね」
「そんな――っ」
サラは驚きに目を見開いた。
「ジュストの居場所を知った君は、夜が明ける前にジュストを殺した。君の意志だったのかな?それとも、ユベールに頼まれて?第一王子のユベールにとって、ジュストが一番邪魔な存在だったからね……」
ロランはサラの頬をそっと撫でた。サラはその冷たい手にゾッと背筋が凍った。
「何を言うのです!?サラがユベールを誑かすことはあっても、ユベールがそんなことをするはずがありません!」
アンナが大声で言い返すが、ロランはそれを取り合うことなく続けた。
「父上、俺はサラを気に入っているんです……サラがユベールを想うあまり手を貸したと言うのなら、殺すのはもったいないと思いませんか?こんな一途で“従順”な娘はそういない」
その後、ロランはそっとサラの耳元に唇を近づけて小さく囁いた。
「俺なら、君を助けてあげられる……君が俺を愛してくれるのなら、ね」
ロランを愛す――王となる彼の伴侶となり、時代を変える。おそらく彼の子を産むことまでも含まれた言葉。