ふたり輝くとき
『このままだと、死ぬわ』

その言葉にサラがピクッと反応した。

『サラちゃんの身体は私のチャクラに耐えられていないのよ。セントロとトゥーボも未熟な者が作ったのね。もう穴だらけ……今はそっちのクラドールが縫合をしても追いつかなくなっている』

血縁者であるが故に、中途半端に適応してしまったサラ女王のチャクラ。穴から漏れ出したそれはサラの身体の内側を傷つけている。熱が出るのはそのせいだろう。このままチャクラが漏れ続ける量が増えれば死に至る、というのがサラ女王の説明だった。

「それを、どうやって治すっていうの?」

ユベールが問うと、サラ女王がため息をつく。

『サラちゃんと私は今、光の道でつながっている状態よ。これは精神をつなげるものだけれど……たぶん、チャクラも流せると思うわ。サラちゃんのセントロに埋め込まれた私のチャクラを私が引き寄せて彼女から取り除くの』

サラの身体に流れているチャクラはサラ女王のチャクラに依存したものだ。その“源”を取り除けば元々チャクラを作り出す能力のなかったサラの身体にはチャクラが流れなくなる。

だが、それは……

『サラちゃん、1つ聞いておくわ。私のチャクラがなければ貴女は呪文を使えなくなる。それでもいい?』
「……らない…………いら、ない。元々、使えないはずのものだったんです」

サラは掠れた声で答えた。

「呪文は、使えなくていいから……私は、ただ…………ユベール様と、一緒に、いたい」
『そう。じゃあ、ゆっくり目を閉じて。私がチャクラを引っ張ったら、そのまま全部流れに任せて、抵抗しちゃダメよ』

サラはコクリと頷いて、目を閉じた。ユベールはサラのお腹に回した手に力を込める。
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