ふたり輝くとき
「やはり私の後継者にふさわしいのはユベールだ!皆も、よくわかったであろう?」
突然、嬉々として立ち上がったダミアンは都合のいい演説を始めるようだ。
「ロランの悪事を暴き、サラという素晴らしい伴侶も得た。ルミエールは安泰だ!さぁ、早速今から王位継承の儀を――」
ガンッ――
ユベールは椅子を思いきり倒して立ち上がった。手をつないでいたサラはユベールに引かれて小さく悲鳴を上げた。ユベールは彼女の腰に左手を回し、自分の身体とピッタリ合わせる。
「ユベール様?」
様子がおかしいことに気づいたらしいサラは心配そうにユベールを覗き込んできた。ユベールはそれに笑顔を返してまっすぐ前を向く。
「僕は……」
そこで大きく息を吸って、それから。
「王位は継がない」
その瞬間、謁見の間は大きなざわめきに包まれた。
ロランとアドリーヌは口を開いたままユベールを間抜けな顔で見つめ、ダミアンは演説を始めたままの状態――両手を高く掲げたまま――で固まっている。アンナは真っ青な顔で唇を振るわせていた。
クロヴィスだけが、平然と眼鏡を通して混乱する人々を見ている。
「なっ、何を言っている!?」
「そうよ、ユベール。ユーモアは大事だけれど、ここでそんな冗談を言ってはいけないわ」
ダミアンとアンナが2人して王座に上がってこようとするのを鋭く睨みつけたら、2人仲良く「ヒッ」と声を上げて立ち止まった。
突然、嬉々として立ち上がったダミアンは都合のいい演説を始めるようだ。
「ロランの悪事を暴き、サラという素晴らしい伴侶も得た。ルミエールは安泰だ!さぁ、早速今から王位継承の儀を――」
ガンッ――
ユベールは椅子を思いきり倒して立ち上がった。手をつないでいたサラはユベールに引かれて小さく悲鳴を上げた。ユベールは彼女の腰に左手を回し、自分の身体とピッタリ合わせる。
「ユベール様?」
様子がおかしいことに気づいたらしいサラは心配そうにユベールを覗き込んできた。ユベールはそれに笑顔を返してまっすぐ前を向く。
「僕は……」
そこで大きく息を吸って、それから。
「王位は継がない」
その瞬間、謁見の間は大きなざわめきに包まれた。
ロランとアドリーヌは口を開いたままユベールを間抜けな顔で見つめ、ダミアンは演説を始めたままの状態――両手を高く掲げたまま――で固まっている。アンナは真っ青な顔で唇を振るわせていた。
クロヴィスだけが、平然と眼鏡を通して混乱する人々を見ている。
「なっ、何を言っている!?」
「そうよ、ユベール。ユーモアは大事だけれど、ここでそんな冗談を言ってはいけないわ」
ダミアンとアンナが2人して王座に上がってこようとするのを鋭く睨みつけたら、2人仲良く「ヒッ」と声を上げて立ち止まった。