ふたり輝くとき
「ほら、言って?僕にどうして欲しいの?」

ユベールはギリギリまで顔を近づけて、囁いた。サラの呼吸が熱くなっているのがよくわかる。

「ユベール様……」

サラは無意識なのか、クッと顎を上げてユベールの唇を求めるような仕草をした。ユベールはその誘惑を人差し指で耐える。

「ん?」

そのまま唇を指でなぞって、ゆっくりと肌を伝っていく。背中に左手を滑らせれば“もう1歩”。

「サラ、どうして欲し――」

だが、その言葉は最後まで紡げなかった。サラがユベールの身体をグッと引き寄せて唇を重ねてきたから。

ユベールは目を閉じることも忘れて、呆然とサラの唇を受け入れた。サラはギュッとユベールの背中に手を回し、たどたどしくも舌を絡めようとしてくる。

その熱い舌を、ユベールはそっと唇を開いて受け入れた。

そうして口付けを続けるうちに、少しずつユベールの理性も消えていって……いつのまにか主導権はユベールに、そして2人の荒い息遣いがリビングの温度を上げていく。

しばらくして、苦しくなったらしいサラがユベールの胸を弱々しく叩き……ユベールはサラの唇を解放する。

「……僕が欲しかったのとはちょっと違うけど、許してあげる」

そして、クスッと笑い、ユベールはサラの首筋へとキスを落とした。サラの纏う服を脱がせながら、甘い肌を堪能していく。

サラは歌うように甘く鳴き、しなやかに身体を反らせた。
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