ふたり輝くとき
ところが。

「サラ、ねぇ、ホントに大丈夫?」

夕方、リビングのソファでユベールに抱きついてくるサラの背中をユベールは優しく撫でた。サラからこんな風に甘えるのも珍しい。今日は一体どうしたのだろうか。

「サラ?」
「……なんだか、チカチカするんです。眩しい」

それでユベールの胸に顔を埋めているらしい。

「眩しい、って……もう夕方だよ?」

ユベールはサラの背中を撫で続けながら窓の外を見た。オレンジ色の空はもうだんだんと色をなくし始めている時間。

「ユベール様、チクチクします……」
「……?」

先ほどからチカチカとかチクチクとか……擬態語が多い。

「えーっと、それって僕がチクチクするってこと?」

それならユベールにくっつくのは良くないのでは……

「んんっ」

サラは少し呻くような声を出して首を振った。そして、ユベールの背中に回した手に力を込める。
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