ふたり輝くとき
サラの身体が少し光っているように見える。

「サ、ラ……?」
「っ、痛い……から、やめ、て……」

サラは途切れ途切れに声を出す。それは、ユベールにというよりは自分自身に話し掛けているようで。

「も、わかった、から……ユベール様も、っ」
『うー?』

その、“2人”の会話に……

ユベールはへなへなと床に座り込んだ。

サラは具合が悪かったわけではないのだ。いや、確かに普通とは違う状態であるのだけれど、病ではなくて。

「も……何、コレ…………」

ユベールははぁっと大きく息を吐いて、片手で目元を覆う。

「ユベール、様……」

シーツが擦れる音がして、サラが起き上がろうとしている気配を感じたユベールは慌ててサラに背を向けた。

「ちょっとっ!ダメ!今は見ないで!」

そう言うと、サラはちょっとだけ笑って……「はい」と言った。
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