ふたり輝くとき
(父親、ねぇ……)
どいつもこいつも笑わせる。娘とろくに会ったこともない、娘の性格すら把握できていない、それなのにこんなときだけ父親面をして……おそらくサラは何も聞かされずに、ただユベールを殺めるように言いつけられたに違いない。
自分が駒として使われていることに、逃げられなくなってから気づいた憐れな娘。
そこに、ユベールが更に追いうちをかけたら……サラは泣くだろうか?
ふと、この城にサラが来た日を思い出す。とても怯えていて、泣きそうな顔をしていた。
「ふふっ」
思わず零れた笑い。
泣いたら、慰めてあげてもいいかもしれない。いや、サラはきっと泣くだろう。あの穢れを知らない娘には耐えられないように思えた。
真実は、残酷だ。
ユベールがもう1度笑って、上半身を起こしたとき扉が音を立てた。
楽しい夜の始まり。ユベールはニッコリと笑顔を貼り付けて扉を開ける。
「やぁ、サラ。待ってたよ。どうぞ」
「こ、こんばんは……」
緊張した面持ちで部屋に入ってきたサラ。ユベールは扉を閉めるとその身体を後ろから抱きしめた。
どいつもこいつも笑わせる。娘とろくに会ったこともない、娘の性格すら把握できていない、それなのにこんなときだけ父親面をして……おそらくサラは何も聞かされずに、ただユベールを殺めるように言いつけられたに違いない。
自分が駒として使われていることに、逃げられなくなってから気づいた憐れな娘。
そこに、ユベールが更に追いうちをかけたら……サラは泣くだろうか?
ふと、この城にサラが来た日を思い出す。とても怯えていて、泣きそうな顔をしていた。
「ふふっ」
思わず零れた笑い。
泣いたら、慰めてあげてもいいかもしれない。いや、サラはきっと泣くだろう。あの穢れを知らない娘には耐えられないように思えた。
真実は、残酷だ。
ユベールがもう1度笑って、上半身を起こしたとき扉が音を立てた。
楽しい夜の始まり。ユベールはニッコリと笑顔を貼り付けて扉を開ける。
「やぁ、サラ。待ってたよ。どうぞ」
「こ、こんばんは……」
緊張した面持ちで部屋に入ってきたサラ。ユベールは扉を閉めるとその身体を後ろから抱きしめた。