ふたり輝くとき
「眠っちゃうんですか?」

サラがユベールのくせっ毛をそっと指で梳く。

サラは、2人を産んでから“可愛らしさ”が少し抜けた気がする。ユベールのことさえも包み込むような母性――というのだろうか――が出るようになった。もちろん、今も十分可愛らしいのだけれど。

「寝ないよ。せっかくマノンとディオンが眠ったんだから」

ユベールはそう言って、顔を上げてサラの唇を啄ばんだ。軽く触れながら、少しずつ体重を掛けてサラをソファに押し倒すようにして。

その頃には口付けは深いものになっていて、サラもユベールも熱い吐息を吐き出しながらお互いを抱きしめる。

「ん……待って、ユベール様」
「ダメ……待てない」

顔を背けたサラの首筋に唇を滑らせて、ユベールはサラの寝間着の裾から手を忍び込ませた。

「――っ、ほ、本当に、ちょっと待って!」

サラがユベールの肩を強めに掴み、ユベールはピタリと動きを止めた。

「あ、あのっ、私からも、プレゼント……ある、ので……」

頬を染めながら言うサラの瞳は潤んでいて「そんなの後でいいよ」という言葉が出てきそうになるが、グッと堪える。
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